更新日:2026年5月14日|編集部:キャリアデータ総研 編集部|対象:採用担当者・人事責任者・経営層
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はじめに|あなたの採用オペレーション、限界を迎えていませんか?
「面接日程の調整に1件あたり30分以上かかっている」「応募者への連絡が漏れていて、気づいたら辞退されていた」「面接設定を特定の担当者しかできず、休んだとたんに業務が止まる」「選考がどこまで進んでいるか、誰に聞けばわかるのかわからない」——。
採用人数が増えるにつれて、こうした問題は積み重なっていきます。人事担当者なら、どれか一つは心当たりがあるはずです。
この記事では、採用管理システム(ATS)の導入・乗り換えを検討している方向けに、2026年時点の主要5製品を実務目線で比較します。スペックの羅列ではなく、「自社にどれが合うか」を判断するための情報を中心にまとめました。
この記事で比較するATS(応募者管理システム)
HERP / sonar ATS / HRMOS採用 / i-web / 採用一括かんりくん
この記事の結論
- スタートアップ・中途採用中心ならHERP:現場巻き込み・Slack連携・日程調整を重視する企業に向いています。
- 新卒・中途を横断して管理したいならsonar ATS:複雑な採用フローや複数チャネルの管理に強みがあります。
- 採用データ分析を重視するならHRMOS採用:経路別・求人別のレポートや採用改善に活用しやすい設計です。
- 大規模新卒採用ならi-web:大量応募・適性検査・説明会・内定者フォローまで、新卒採用の一連フローに強みがあります。
- まずATSを導入して業務を整理したいなら採用一括かんりくん:新卒・中途の管理、日程調整、連絡業務の効率化を始めやすい選択肢です。
1|ATS未導入・旧システムのまま運用している会社に起きがちな課題
採用DXが叫ばれて久しいですが、実際にはExcelや汎用ツールで何とかしている現場も少なくありません。そうした環境では、以下のような問題が出やすくなります。
情報の分散と属人化
応募者の管理がExcel、面接調整がメール、評価コメントがSlackに散らばる。担当者が変わった途端に引き継ぎが機能しなくなる——これは「担当者の問題」ではなく、「仕組みの問題」です。面接設定が特定の担当者に集中している場合も同様で、その人が不在なだけで採用業務が止まります。
応募者対応の抜け漏れ
メールや媒体の管理画面を行き来していると、返信が漏れたり、対応が遅れたりします。応募者からすると「連絡が来ない会社」という印象になり、選考辞退につながります。採用管理システム(ATS)がない環境ほど、この問題は起きやすくなります。
採用進捗が見えない
「Aさんは今どのステータス?」「◯◯職種の書類通過率は?」——こういった質問に即答できない状態が続くと、採用戦略の改善が後手に回ります。経営層や現場からの問い合わせのたびに確認コストが発生するのも、よくある悩みです。
面接官を巻き込めない
現場マネージャーに評価シートの提出を依頼しても、返ってこない。フォーマットがバラバラで採用担当が集計に追われる。ATS導入前の現場によく見られる光景です。
選考スピードが遅れ、候補者が離脱する
調整工数がかかるほど選考が遅くなり、優秀な候補者が他社に流れます。「内定辞退が多い」と感じている会社ほど、このパターンに陥っていることがあります。
データが蓄積されない
採用コストや選考通過率、媒体別の応募数など、意思決定に必要なデータが取れない。結果として、「感覚値」で採用計画を立てるしかなくなります。
2|ATSを導入すると何が変わるか
ATS(Applicant Tracking System)とは、採用活動における応募者の情報管理・選考進捗の追跡・面接調整などを一元化するシステムです。導入によって、オペレーションの何が具体的に変わるかを整理します。
面接調整の自動化
候補者の希望日と面接官のカレンダーを突合し、自動で候補日を提示・確定できます。担当者が間に入る工数が減り、属人化も解消されます。
選考状況の一元管理
応募者ごとのステータス、面接履歴、評価コメント、内定・辞退状況をひとつの画面で把握できます。「誰がどこにいるか」が常に見える状態になります。
現場面接官の巻き込み
評価依頼やフィードバック回収をシステム上で行えるため、現場負荷を下げながら面接評価を集めやすくなります。「評価を書いてもらえない」問題への直接的な対策になります。
採用データの可視化
媒体別の応募数・選考通過率・内定承諾率・採用コスト(CPA)などのレポートを確認できるようになります。採用改善のPDCAを回しやすくなります。
内定者フォローまでの一貫管理
内定後のコミュニケーションや書類提出管理まで対応できる製品もあります。特に新卒採用では内定後の離脱防止がカギになるため、この機能の有無は重要な選定ポイントです。
3|企業規模・状況別|どのATSが向いているか
製品を選ぶ前に、自社の採用状況を整理しておくと選定が早まります。
| 自社の状況 | おすすめATS |
|---|---|
| スタートアップ・急成長中、現場連携を最優先したい | HERP |
| 新卒・中途を横断して、複雑な採用フローを管理したい | sonar ATS |
| 中堅〜大企業、データ分析・レポートを重視したい | HRMOS採用 |
| 大企業・新卒採用が主軸、大量応募に対応したい | i-web |
| 中小〜中堅企業、まずATSで応募者管理を整えたい | 採用一括かんりくん |
4|採用管理システム比較表|おすすめ5選(2026年版)
各製品を主要な比較軸で評価しました。公開情報・製品特性をもとにした相対評価です。絶対的な優劣ではなく、自社要件との照合にご活用ください。
| 比較軸 | HERP | sonar ATS | HRMOS採用 | i-web | かんりくん |
|---|---|---|---|---|---|
| 定着しやすさ | ◎ | ○ | ○ | △ | ◎ |
| 現場の使いやすさ | ◎ | ○ | ○ | △ | ○ |
| 新卒対応 | △ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
| 中途対応 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
| レポート機能 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| サポート体制 | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
| 乗り換えやすさ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ |
| 料金 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
◎ 特に優れている ○ 標準対応 △ 限定的・要確認
まず2〜3社の資料を並べて比較するだけでも、自社との相性が見えやすくなります。 料金・連携範囲・サポート内容は変更される場合があるため、最終判断前には各社の公式情報を確認してください。
5|各社レビュー|特徴と向いている企業
HERP(ハープ)
「採用チームと現場をつなぐ」設計のATS
HERPは、スタートアップ・成長期の企業で使いやすいATSです。最大の特徴は現場面接官の負担を最小化する設計。Slack連携により、HERP Hireから選考に関する通知をSlackに届けたり、Slackアカウントでログインしたりできるため、現場を巻き込んだ採用を進めやすくなります。
リファラル採用の管理や、採用担当者と現場のコミュニケーションを重視したい企業にも向いています。
- 向いている企業: スタートアップ〜成長期の中堅企業、中途採用中心、Slack活用企業
- 注意点: 数百〜数千名規模の大量新卒採用では、媒体連携・イベント管理・内定者フォローなどの要件確認が必要
操作感はデモで実際に触れるのが一番早いです。現場の面接官を同席させて確認することをおすすめします。
sonar ATS(ソナーATS)
新卒・中途を横断して採用フローを管理したい企業向けのATS
sonar ATSは、新卒・中途を含む採用業務をまとめて管理しやすい総合型のATSです。公式サイトでも、新卒・中途の採用をまとめて管理できること、ノーコードで複雑な採用フローを設計できること、HRサービス連携実績の豊富さが特徴として示されています。
「部署や職種ごとに選考フローが違う」「新卒と中途を同時に走らせている」「複数媒体・複数チャネルから応募が来る」といった企業に向いています。
- 向いている企業: 新卒・中途を並行して採用する中堅〜大企業、複雑な採用フローを整理したい企業
- 注意点: 機能が多いため、導入前に選考フロー・ステータス定義・運用ルールを整理しておく必要がある
HRMOS採用(ハーモス採用)
データドリブンな採用を目指す企業向けのATS
ビズリーチが提供するHRMOS採用は、採用データの可視化・分析機能に強みがあります。応募経路別・求人別のレポートや、採用コストを含むデータを見える化しやすく、採用活動を改善したい企業に向いています。
中堅〜大企業での利用に適しており、複数拠点・複数職種の採用活動をデータで管理したい段階の企業にフィットします。
- 向いている企業: 中堅〜大企業、データ重視、新卒・中途どちらも扱う企業
- 注意点: レポートを活かすには、応募経路・選考ステータス・辞退理由などの入力ルールを整える必要がある
「レポートをどこまで活用できるか」は、デモ時に実データに近い条件で確認するのが有効です。
i-web(アイウェブ)
大規模新卒採用に強い老舗の採用管理システム
ヒューマネージが提供するi-webは、新卒採用での導入実績が豊富な採用管理システムです。求人情報や応募者データの一元管理、選考フロー設計、オンライン選考、データ分析など、大量応募を扱う採用活動に必要な機能を備えています。
公式サイトでは、新卒・中途・タレントプールなど、さまざまな雇用区分の求人情報や応募者データを一元管理できることも示されています。ただし、特に強みが出やすいのは、大規模な新卒採用や、説明会・適性検査・ES・面接・内定者フォローまでの一連フローを管理したい企業です。
- 向いている企業: 大企業、新卒採用中心、エントリー数が多い企業
- 注意点: 運用設計が複雑になりやすいため、現場への定着には説明・権限設計・運用ルールの整備が必要
採用一括かんりくん
新卒・中途をまとめて管理し、採用オペレーションを効率化したい企業向け
採用一括かんりくんは、新卒・中途を含む採用活動をまとめて管理できるクラウド型ATSです。公式情報でも、新卒・中途はもちろん、企業ごとの採用手法に対応して柔軟に管理できることが特徴として示されています。
日程調整や紹介会社とのやりとり、候補者とのコミュニケーションなど、採用オペレーションを効率化したい企業に向いています。まずATSを導入して応募者管理システムとして使い始めたい企業の最初の選択肢としても検討しやすい製品です。
- 向いている企業: 中小〜中堅企業、新卒・中途をまとめて管理したい企業、採用オペレーションを効率化したい企業
- 注意点: 大規模採用・高度な分析・複雑な外部連携が必要な企業では、要件に合うか事前確認が必要
「とりあえず使い始めてみる」場合でも、将来的なリプレイスのしやすさ(データ移行・API連携)は事前に確認しておくとよいです。
6|ATS導入の失敗例と共通パターン
導入したものの「思ったより使われなかった」「結局Excelに戻った」——こうしたケースには共通のパターンがあります。
❌ 失敗例1|現場を置いてきぼりにした導入
人事部門主導でATSを選定・導入したものの、現場の面接官が使い方を把握していなかった。評価入力が集まらず、ATSに情報が残らない状態になる。
対策: 選定段階から現場のキーパーソンを巻き込む。デモは現場面接官にも体験してもらう。
❌ 失敗例2|運用フローを決めないまま本番稼働
「とりあえず導入してから考えよう」で進めると、誰がどのタイミングでステータスを更新するか決まらず、情報がバラバラになる。
対策: 導入前に選考フロー・ステータス定義・入力ルールを決め、運用マニュアルを整備する。
❌ 失敗例3|自社規模に合わない製品を選んだ
高機能製品を小規模企業が導入して使いこなせないケース、安価なシンプル製品を大企業が導入して機能不足になるケース、どちらもあります。
対策: 現在の採用規模と1〜2年後の想定規模を整理した上で製品を選ぶ。
❌ 失敗例4|既存システムとの連携を後回しにした
人事システムや適性検査ツールとの連携を確認しないまま導入し、後から「データ移行できない」と判明する。
対策: 選定段階で既存ツールとのAPI連携・データ移行の可否を確認する。
7|今すぐATS比較を始めるべき理由
「採用がうまく回っているうちに仕組み化する」のが、オペレーション崩壊を防ぐ最善策です。
採用が増えてから動こうとすると、移行作業・社内調整・ベンダー選定に数ヶ月かかり、オペレーションが崩壊した状態でATSを探す羽目になります。ATS比較・ATS導入の検討は、余裕があるうちに始めるのが鉄則です。
また、ATS市場は進化が早く、製品ごとの機能差・価格差も大きい。「数年前の情報」や「知り合いのおすすめ」だけで選ぶのはリスクがあります。
「今の運用に限界を感じている」「採用がもう少し増えたら確実に回らなくなる」と感じているなら、それが比較検討を始めるタイミングです。
まとめ|自社に合うATSを選ぶためのチェックリスト
ATS選定で後悔しないために、以下を事前に整理しておきましょう。
- [ ] 新卒・中途、どちらが主軸か(または両方か)
- [ ] 現在の年間採用人数と、2年後の想定
- [ ] 現場面接官のITリテラシーと定着見込み
- [ ] スカウト運用の有無と、連携させたい媒体
- [ ] 既存の人事システム・連携が必要なツール
- [ ] データ分析・レポートへのニーズ
- [ ] 予算感(初期費用・月額・従量課金の違い)
- [ ] 導入後のサポート体制への期待値
次のアクション
📋 まず2〜3社の資料を比較する
各社の機能・料金・サポート体制を並べて見ると、自社との相性が一気に絞り込めます。資料請求やデモ依頼は各社の公式サイトから確認できます。
💬 自社規模に合うATSを見極める
「どれが自社に合うかわからない」「乗り換えの手順を知りたい」という場合は、まず自社の課題と採用規模を整理した上で、ベンダーに相談するのが近道です。
🖥️ デモで操作感を確認する
候補が絞れたら、実際のデモを体験してください。現場の面接官を同席させた上でのデモ体験が、導入後の定着率を左右します。
※各サービスの料金・機能・連携範囲は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
参考
- HERP Hire 公式ヘルプ「Slackと連携する」
- sonar ATS 公式サイト
- HRMOS採用 公式サイト
- i-web 公式サイト
- 採用一括かんりくん 公式サイト
この記事について
キャリアデータ総研 編集部
採用・人事・HRテクノロジー領域を研究する独立系メディア。採用担当者・人事責任者向けに、ATS比較・採用DX・採用管理システムの導入ノウハウを実務目線で発信しています。
最終更新:2026年5月14日

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